EU16i、使用中にエンジンが停止する不具合

今回は修理機の他に3台、同型のホンダ発電機EU16iを所有の方より修理依頼。
新しく買ったEU16iのみ使用中にエンジン停止するとの事。
早速回収して診断開始です。

まずは簡易点検。
残燃料なし、オイル量OK(汚れひどし)、エアクリーナーOK、スパークプラグ若干の燃焼不良の痕跡あり。 全体的に粉っぽい場所で使用しているようですね。

エンジン始動問題なし、早速テストです。

燃料満タンにして500Wのハロゲンライトを3灯つなげて定格負荷テスト
燃料空になるまで動かしますが停止なし。

問題なしです。さて困った。

こういった、症状が再現しない不具合が一番大変です。
お客様の使用環境や使用機器で出る出ない不具合は正直、保証の対象外の案件なのですが。。。
他の同じEU16iでは使えるのに、この機械だけ使用できないと言われればなんとか確認するしかありません。

◆不具合原因の推測

1、暑い日が続いてましたので、使用環境が過酷な状況で本体が過熱
パーコレーション現象が発生し、キャブ内で気泡発生。燃料の供給が停止。

2、燃料ポンプ及び燃料コック、キャブレターの不具合により燃料の供給
が不安定になり、燃料が不足してエンジン停止。

3、エコモードで使用していて、高負荷の器具を使用した際に立ち上がり
の遅れから不完全燃焼が発生し、エンジン回転が不調になりエンジン停止。

考えられるのはこんなところでしょうか。

1,から順番に確認して症状が再現するか確認です。

排気側と吸気側に壁を設置して熱を篭もらせ、定格負荷を超える500Wハロゲン4灯でテストです。排気側に壁を置くことで熱が篭りみるみる周辺温度が上昇します。

テスト当日の気温が33℃だった事もあり、あっという間に40℃を突破。最終的に温度計を振り切りました。その状態で2時間以上放置していましたがエンジン止まりません。

EU16i恐るべし。防音型なので熱がこもりやすい構造なのですが加熱しても止まりません。(原因がわからなくなるので本音としては止まってくれたほうが話が早いのですが)
通常本体触るとやけどしそうになるほど加熱する事は稀ですし、そんな状況では故障の原因に
なるのでやってはいけません!それでも壊れないのはさすがといった所。

これが一番可能性が高いと思ったけど違うのか・・・。

2、部品の不具合による異常。

加熱テストと定格負荷テストで合計10時間以上稼働させていますが、
特に不具合が出なかったことから、部品の不具合の可能性は低いと考えられます。
もし、部品の不具合なら顕著に症状がでますので。
ただ、少し気になる部分はあります。それは後で確認。

気を取り直して次のテスト

3、エコモードからの過負荷テスト

エコモードから一気に負荷をかけます。

コンプレッサー、掃除機、ドリルといったモーター製品を追加して実験です。

さすがにこれだけつなぐとコンプレッサーが電力不足でモーターが回りません。
過負荷警告ランプが停止して発電がストップ。でもエンジンは停止しません。

機器を増やしたり下手したり調整しながらテストしましたが、立ち上がりの遅れでエンジンが一時的に不安定にはなりますがエンジンが停止するまでには至りません。

因みに余談ですがこのEU16iは最大で2250Wまで出力する事ができました。

1600Wと謳っている当機ですが、実は2000W以上出るんですね。メーカー担当者曰く、平均で2200W~2300W前後出るんだそうです。
その平均の差がいわゆる個体差というやつで、メーカー公称値としては1600Wを超えているので個体差分は問題ないのですが、今回の様に機械によって使えたり、使えなかったりする場合があったりします。
※その場合でも過負荷警告灯が点灯して発電を停止しますがエンジンは止まりません。

さて困ったな、これでも無いとなると完全に手詰まりです。

こうなったら基本から見直すしかありません。
因みにさっき言ってた気になる点というのはスパークプラグとオイルの汚れです。

オイルが真っ黒。プラグも汚れてネジ山が黒くなっています。
不完全燃焼が続くとオイルの汚れがひどくなり、プラグも煤で汚れます。
また、プラグのネジ山にも汚れが見えます。 これは劣化燃料による不完全燃焼を意味しています。

当社で使用しているガソリンは、週に2回地元の信頼しているガソリンスタンドから配達してもらっているガソリンなので劣化がありませんが、お客様が使用しているガソリンは劣化ガソリンや粗悪ガソリンの可能性もあります。

余談ですが、修理で入庫した機体から燃料を抜くと灯油臭いガソリンが入っていることがあります。お客様が自分で混ぜたりなんて面倒なことをするはず無いので間違えて混ぜてしまったか買ったお店がそういうお店だったんでしょう。エンジン不調で入庫しますが、燃料を入れ替えるだけでエンジンがかかるようになるケースもあります。

とりあえず今回の修理機はエンジンオイルとスパークプラグを交換し、キャブレターの調整を
行って様子を診てもらうことにしました。
コチラとしても原因がはっきりとわからないのと、状況再現がしないため、「正常」としか判断ができません。

使用の際には1000W級の電動工具を使う際にはエコモードで使用しないこと、燃料は新しいものを使うことというアドバイスを行わせて頂き、返却いたしました。
もしこれでもまた症状が改善されない場合や、不調の場合にはまた続報のお知らせします。

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